腎機能が悪い患者さんのTPN処方

どうも、ふぁるまりです。

 

今回の症例は、

  • CKDステージ4
  • TPN使用中
  • がん末期

の患者さまについてです。

退院時カンファレンスの前後にこのようなことを考えておりました。

 

【目次】

TPNの内容

TPNの内容は、

イカリックRF、ネオアミユー、オクトレオチド、ファモチジン

ビタジェクト、エレメンミック

 でした。

イカリックRF+ネオアミユー(腎不全用アミノ酸)という、腎機能悪い患者さまでよく見る内容。

にしてはエレメンミックもファモチジンも常用量かー

という印象でした。

口述しますが、どうやって混ぜるか、は事前にイメージしておきます。

 

腎機能について

CKDステージ4ということで、クレアチニンリアランスは30以下かな?

腎機能が悪いとエルネオパなどのキット製剤はあまり使われません。

 

ファモチジンは添付文書にもあるように、腎機能に合わせて減量が必要です。

添付文書を見ると、クレアチニンリアランス30以下だと

  1. 10mgを隔日投与
  2. 5mgを毎日投与

が推奨量。

在宅においては隔日投与は不向きですね。

 

エレメンミック(微量元素)は、『使用上の注意』に腎障害について記載がある程度。

経験上、半量で使用しているケースが多かったので、こちらも要確認だなぁと。

 

オクトレオチドについて

そしてオクトレオチド。

イレウスで食事が摂れない→TPN導入というパターン。

使用により腹痛は改善しているようなので、在宅でも継続予想。。。

これが難点。

オクトレオチドの適応は皮下注ですが、ポートからTPN、皮下からオクトレオチド、

となると、活動するには不便です。

よって、TPNに混注することもしばしばあるのですが、配合変化に注意が必要です。

混注の際は注意が必要ですし、混注後も効果の減弱も考慮しておかなければなりません。

使用直前にオクトレオチドのみ混注してもらう方法もありますが、

『誰が混ぜるのか』

といった問題が浮上します。

 ですので、薬局で混注してお持ちすることになるとは思うのですが、数日分混ぜてお持ちする場合、

効果減弱→腹痛増強

が心配です。。。

院内は毎日作るから気にしてないやろなー。なんて思っていました。

 

カンファレンス前のまとめ

以上のことから、退院時カンファレンスで詰めておこうと思ったのは、

  1. 腎機能に対応する投与量
  2. オクトレオチドの取り扱い

の2点。

薬学的にはこれくらいでしょうか?

連携の面では他にも色々ありましたが、割愛します。

 

カンファレンスの結果

カンファレンスには薬剤部のかたも参加されていました。

いつもの薬剤師さんだったので、なんとなく安心します(;^ω^)

 

腎機能については、

「とりあえず今のところ何もないから、様子見て何かあれば減量で」

とのこと。

正直、

そんなもんでええんか?!

と思いました。

 

オクトレオチドについては、朗報が。

どうも院内では金曜日に土日分も混合して冷蔵庫保存しているようで、

月曜日交換直前も腹痛なく過ごせているとのこと。

居宅療養管理指導は週に2回しか算定できないため、3日分と4日分に分けて訪問することに。

4日分持っていく時は最終日に痛みがでないかしっかりとモニタリング必要ですね。

あと冷蔵庫も開けといてもらうように伝えるのも忘れずに。

 

カンファ終了後、薬剤師さんに混合方法を確認。

混ぜ方同じだったので良かった。

 

さいごに

戯言のような備忘録にお付き合いいただきありがとうございました。

思考を落としておくことで何かの役に立つかもくらいの気持ちで書いています。

これが正解、というわけではありませんし、状況によって何を優先するかは全然違うと思います。

色々試行錯誤してやっていますので、ご意見などありましたら気軽に絡んでください。

 

それではまた。

 

Have a nice 在宅!