がん患者さんの疼痛コントロール(デバイス編)

どうも、ふぁるまりです。

 

さて、今回はオピオイドの注射薬を充填するデバイスを紹介していきたいと思います。

 

シリンジポンプ

f:id:pharmari:20200325181825j:plain

ニプロシリンジポンプ

病院などでよく見るやつですね。

在宅の現場でも使われていますが、薬局で充填するケースは少ないと思われます。

シリンジはロック式のを使い、ルアーキャップでふたをして持っていくことになるかな?

場合によっては延長チューブをつけてプライミングした状態でお持ちするのもよいかと思います。

空気はしっかり抜きましょう(*´ω`*)

メリットは細かい流量調整が可能なこと。

デメリットはレスキューが使いづらい(確か一度メインを止めないといけない?)はず?

それと10mLのシリンジを使ったりするので、交換頻度が速いこと。

50mLのシリンジを使うケースもあるのかな??

 患者さんに直接交付できないので、注意しましょう。

 

バルーンポンプ

f:id:pharmari:20200622193042j:plain

ニプロシュアフューザーA PCAセット

在宅での持続皮下注射でよく見かけます。

バルーンの収縮力を利用して、薬液の持続投与を行います。

麻薬注射剤を交付するための条件、

1.速度が可変でないこと(一部可変のものあり)

2.容易に取り出せない構造であること

を満たしますので、患者さんに直接交付が可能です。

用量、速度、レスキュードーズ量、ロックアウトタイム、などメーカーによって様々ですので、在庫を抱えがち。。。

というのも

投与速度が一定=1日投与量に上限がある

ということです。

例) 0.5mL/hrのポンプ → 12mL/day 投与可能

   モルヒネ注だと1日何㎎まで投与可能でしょうか?

   オキファスト注だと??

とまぁ、色々なことを前もって考えておくことが重要になってきます。

また、バルーンですので温度や設置する場所の高さ(穿刺部位基準)によって、投与速度が前後します。

残量も若干分かりづらいです(-_-;)

よって、交換のタイミングは看護師さんやご家族など、色々な人と情報を共有する必要があります。

色々大変だなという印象ですが、医師にとってはコストの面で都合がいいので結構使われる印象です。

薬局は逆ザヤのこともしばしば(´・ω・`)

薬局にとっては、患者さんに直接交付できるメリットはあります。

レスキューについてはボタンを押すだけなので簡単ですが、導入時にご本人(or介護者)がちゃんと押せるかどうか確認が必要です。

せっかく導入したのに、力が入らなくて押せない、なんてことがあったら大変ですからね(^_^;)

似たようなものに、シリンジェクターというものがあります。

こちらは大気圧で押し出すタイプ。

メモリが見やすいです。

 

電動ポンプ

f:id:pharmari:20200622195531j:plain

CADD-Legacy ポンプ

流速、レスキュー量、ロックアウトタイムなど、機械で設定を行います。

薬剤師は下のカセットに薬液を充填してお持ちします。

こちらは容易に中身を取り出せますので、直接交付はできません。

機械式のメリットは、投与量を細かく設定でき、レスキューの回数も記録してくれること。

また、ロックアウトタイムが経過する前に押した分(薬液は流れない)もカウントしてくれるので、これも痛みの評価に役立ちます。

ただし、本体のレンタル代やディスポのカセット代を考えると、コストがかさむ。。。

このコストをどこが負担するか、在宅医と良い関係を築きつつ話し合えるといいかな?

高度管理医療機器ですので、薬局からレンタルするケースもあるようです。

実はレンタル事業はWin-Winだったりします(*´ω`*)

ちなみに写真のポンプは新規では販売中止です。

もっと高額な機能の優れたものに一本化したようです。

 

以上、ざっくりとまとめてみました。

まだ書くべきことはあるのですが、それはまた個別で書こうかな。

いやー更新遅すぎて、とりあえずってのが本心です。

こんな感じでお付き合いいただけるとありがたいですm(__)m

それではまた。